雑記
「あんたこそ何が分かる。あいつはあんたのロボットじゃない。感情のあるひとりの人間なんだ。ひとりの女の子なんだ! 確かに普通とは違うかもしれない。でも、なんでこの程度のことを望むことも許されない。なんで母親であるあんたに今日のことを教えなかっ…
たとえ覚えていなくても、毎日を積み重ね、進んできた。落ち込んで、笑って、頑張って、怠けて、嘆いて、味わって、願って、ずっと。誰もがそうするように、ずっと。
「私はね、新くん。人生は長さではないと思ってる。それはこの世界で生まれた天使も人間も一緒。この限りある時間の中でどう生きてたか。そして大切な人に出会い、その人の幸せのために今日まで生きて来れたなら、私はそれで十分幸せだよ」
僕は、自分では、誰に対しても表面的な付き合いをしているだけのつもりだった。クラスメイトとも、隣人とも、叔父とも、世界のあらゆる人間と、例えば自分がいついなくなっても相手が困らない程度の付き合いを保っているつもりだったんだ。
「終わりが迫るのを知りつつ、進んでしまうのはなぜなんだろう」
「……だからさ、諦めないことだよ。出会いなんてものは、気まぐれに起こる奇跡みたいな物だからさ」
「あなたが本当に欲しいものは、温もり。でもそれは、決して私があげられる物ではないの。あなたは気づいているはず。だから、ごめんね」
……いや、諦めるな。せめて見逃し三振は絶対に避けよう。ダメならダメでなにかやって終わらなきゃ一生後悔する。
「罪に相応しい罰ってなんなんだろうね」
「殴られたときより、宮藤のこと黙ってみているときの方が痛かったってわかったからな。みんなもたぶん今日そう感じたと思う」
「だから……言わせろ! 勝手に人生諦めてんじゃねぇ! 親孝行も初孫も期待しねぇからよ……ただ、元気な顔を見せてくれよ……。アタシの話し相手に……なれよ! お前までいなくなったら……アタシは……どうすりゃいいんだ」
「オマエサエイナケレバ」