いつでも微笑みを

体を壊してやりたいこともなくなってしまったから、自分が思っていることを伝えたいことをとりとめもなくかいていくよ。

【読書感想】ことのはロジック/皆藤黒助

「名前とは、生まれてくる子へのプレゼント。とびきりの愛が詰まった、他に類を見ないほどに美しい言葉だ」P161より抜粋

 読書をしていると切っても切れないのがやはり「ことば」というもではないでしょうか。「ことば」を扱ったお話ってなぜだかわからないけど、なんだか面白うそうって引きつけられてしまいます。この本はTwitterの宣伝で知ったのですが一目見た瞬間読んでみたいそう思ったんですよね。

 あなたは「ことば」と聞いて何を思い浮かべますか。「ことば」っていったいなんだろう。本ももちろんですし普段しゃべっているものだったり。このお話を読むとひとえに「ことば」と言ってもいろいろな物があるのだなと改めて考えさせられました。

 物語は4つの短編から構成されているのですがどのお話も「ことば」を厚かった謎を解き明かしながらその真意にせまっていくものになっています。

 どの短編も面白いのですが特に友人に子供の名前の謎を解き明かして欲しいと依頼される第2話「彁」というお話がが印象が強く残っています。

 何故かというと、私自身が日本人にはあまりなじみのない名前であるのというのも一つの要因ではあるのですが、昔読んだ種村有菜さんの「神風怪盗ジャンヌ」にもまったく同じ主題のお話があるからなのです。私はこのストーリーが大好きで、好きすぎて卒業式の答辞でこのエピソードを盛り込んでしまったことはいい思い出です。今回同じゴールを目指すのに全然違うアプローチをしていたのが印象的でした。どちらが秀でているとかではなくどちらもとてもいい話だなと純粋に思いました。

 そしてなんと言ってもラストの主人公の告白シーン。これが美しくて尊い。そしてヒロインの不安を取り除きずっと寄り添っていくという気持ちが表現されていてただただ愛おしい気持ちが溢れてくる。読み終わったあとにすがすがしい気持ちにさせてくれます。

 最初に書いた「ことば」ってなんだろう。私がこの物語を読んで思ったことは「ことば」とは「気持ちを伝えるものその全て」である。相手に気持ちが伝わればそれは全て「ことば」なんだ。文字だけが「ことば」ではない。そして「ことば」は大切にしなければならない。ないがしろにしてはいけないなと考えさせられました。

 是非この物語をてにとって「ことば」という物についていまいちど向き合って考えて見て欲しい。読み終わったとききっと新しい発見をすることができることでしょう。