いつでも微笑みを

体を壊してやりたいこともなくなってしまったから、自分が思っていることを伝えたいことをとりとめもなくかいていくよ。

【半歩踏み出す勇気】恋愛解決部!/叶田キズ

「終わりが迫るのを知りつつ、進んでしまうのはなぜなんだろう」

 進研ゼミの漫画みたいにはうまくいかないけれど…

 昔はなんでもチャレンジすることが大切だと思っていました。もちろんチャレンジすることは今でも大切だと思いますが、何が出来て何が出来ないかを知ることも、今は大切なことだと思えるようになりました。出来ないのに出来ますといっても周りにたくさんの迷惑をかけてしまうからです。
 でもチャレンジする気持ちは大切にしたいし、チャレンジしようとしてる人には手を差し伸べたいし応援もしていきたい。そうすることによって自分自身のチャレンジする気持ちに繋がっていくと思うので。

 逆に、自分が出来ることだけを続け、それに固執するような人にはなりたくない。そうなってしまうとなんだか自分が終わってしまったような気持ちになるから…

あらすじ

人の分泌液を口に含むと、分泌されたときに相手が考えていたことがわかる特殊能力を持つ主人公・上河祐樹。ある日、思いを寄せる白野いのりのことを知りたすぎてリコーダーに手をかけようとしていたところを、こともあろうか本人に見つかる。弱みを握られた上河は、変態と罵られながら白野の部活「恋愛解決部」の部員(パシリ)として様々な恋愛相談を解決していくことになる。

公式サイトより抜粋

感想 

 表紙を担当している「和遙キナ」さんのイラストが目に引いて購入しました。
 オチについていろいろと思うところはあるもののこの本を読んでいて一番楽しかったのは表紙の女の子があたかも実際に目の前で動いているのではと思わせる、躍動感を感じられるところでした。主人公達のやりとりを想像するとなんだか、微笑ましい気持ちにさせてくれます。そういう文章を書くのは簡単なことではないのでただただすごいなと思うばかりです。この作者の別お話も読んでみたいと思わせてくれました。
 少し残念だったのは、主人公のもつ不思議な力を受け入れられるようになるのはヒロイン白野さんがいたからこそなのでその当たりをもう少し掘り下げてほしかったかなと思いました。
 全般的に雰囲気は軽く一気に読み進められますので、そういった作品を読みたい方、表紙のイラストが気になった人は手に取ってみてはいかがでしょうか。主人公達と一緒に恋愛解決部の部員になった気分が味わえると思いますよ。