【幸せについて本気出して考えてみた】明日、世界が消える前に/霜月りつ
「殴られたときより、宮藤のこと黙ってみているときの方が痛かったってわかったからな。みんなもたぶん今日そう感じたと思う」
きっとみんな幸せになりたいのだと思う
生きていれば誰にだって1度は「誰かを幸せにしたい」と思ったことはあると思います。もしくは幸せになりたいと望んでいる人は沢山いると思います。でも私は思うのです。
「幸せって何のだろうと」
素敵な家庭を築くことでしょうか?
お金持ちになることでしょうか?
偉くなって名声を得ることでしょうか?
私にはその答えは分かりません。きっと誰にも分からないのではと思います。でもひとつだけ思うことがあります。幸せになることは絶対に一人ではなしえないことなのではないのかなと。
なぜならば人間は絶対に一人では生きていけない生物だからです。私はそう思っています。弱い生き物であることそれが人間の最大の魅力なのではないのかなと。
あらすじ
一面を白いもやで覆われた場所“死整庁(しせいちょう)”は、あの世とこの世の狭間。ある日、その職員の“担い手”コンビのもとに、文化祭準備中に事故に遭った女子高生・あき奈がやって来る。『時間内に“相手(ターゲット)”を見つけ、相手を幸せにしないと、自分の命が消える』と告げられた彼女は、契約の指輪をはめられて……。そこは、天国ひとつ前。迷いこんできた人々に与えられる試練を描く、『神様の子守はじめました。』著者の号泣必至、感動の最新作!
公式サイトより抜粋
感想
お話はオムニバス形式かつ滅茶苦茶なキャラクターも出てこないのでとても読みやすかったです。私が特に好きなお話は幼少期から入院している女の子が主人公の「バレンタインの天使」と、学園祭を舞台にした「学園祭は眠らない」の2本です。物語の案内人である「アガタ」と「イルマ」がとてもいい味をだしていて「イルマ」が「アガタ」に影響をうけどんどん人間くさくなっていくところが一つの読みどころでしょうか。お話自体は人によってはご都合主義だと思われる方もいるかもしれませんがそれでいいのです。物語なのですから。
そしてこの物語の根っこになっていることは、人を幸せにしたいのであれば、自分自身も幸せにならないと成し遂げられないということですね。逆もまたしかりだと思います。
多くの人間に幸あれ。