いつでも微笑みを

体を壊してやりたいこともなくなってしまったから、自分が思っていることを伝えたいことをとりとめもなくかいていくよ。

【そしてだれもいなくならなかった】誰も死なないミステリーを君に/井上悠宇

「罪に相応しい罰ってなんなんだろうね」

知らないことと、知りたくないこと。

 昨日友人に誘われて生まれて初めてサッカー観戦に行きました。サッカーのルールは分かるけど選手まで詳しくは知らないという程度の知識でしたが試合内容が熱い展開で、かなり盛り上がってしまいました。

 元々スポーツ観戦は好きなのですが、仕事が忙しかったり引きこもり体質だったり、なかなか生で見に行く機会がありませんでした。サッカー観戦がこんなに楽しいと知ることができました。誘ってくれた友人には感謝感謝。

 サッカーの試合は夜だったので自宅で昼食をとってからの出かけたのですが、その際私の母は必ずと行っていいほどテレビをつけます。母が見ている物なので何も言いませんが、お昼の番組にろくなものがない。昨今の事件やスキャンダルに茶々をいれるだけの内容に疑問を感じずにはいられません。そんなこと誰が知りたいのだろうと思うことも。

 憶測だけでレッテルを貼ったり落ち込んだり。惑わされるくらいならいっそ知らない方が幸せなのではと思います。

 情報の得る方法や内容を自分自身で取捨選択できることが強く求められているなと感じた1日でした。

 

紹介文

自殺、他殺、事故死など、寿命以外の“死”が見える志緒。彼女が悲しまぬよう、そんな死を回避させるのが僕の役目だった。ある日、志緒は秀桜高校文芸部の卒業生4人に同時に“死”の予兆を見た。“そして誰もいなくならない”ため、僕は4人を無人島に招待、安全なクローズド・サークルをつくった。だが、そこに高校時代の墜死事件が影を投げかけ、一人、また一人と―これは、二人にしかできない優しい世界の救い方。

Googleブックスより抜粋

 

感想

 他人の死期が分かる能力をもつヒロインの志緒とそれを阻止しようとする佐藤の物語。

 この物語のすごいところはとにかく無駄が全くないところだと私は思います。出てくるキャラクター全てにきちんと役割があり、物語上にきちんと生きているのだなということを強く感じさせてくれます。

 序盤はやや退屈に感じるかもしれませんが、中盤まで読み進めればその手は止まらなくなることでしょう。特に終盤は怒濤の伏線回収ラッシュとなっており一気に読み進めてしまうこと間違いなし!

 主人公の佐藤君は人の痛みが分かる素敵な男の子で、犯人に殺人を起こさせなず犯人に絶対にしてはならないという信念のもと事件と対峙している姿はにきっと心奪われることでしょう。

 ミステリーやサスペンスものって後味が悪いお話も多いので手に取るのをためらってしまうという人もいるかと思うのですが、この本に関してはそんなことがなく最後は爽やかな気持ちにさせてくれます。ミステリーなのに殺人を起こさせないようにするという切り口がそうさせてくれているのでしょうか。

 志緒と佐藤の「そしてだれもいなくならない」物語を是非ご賞味あれ。