いつでも微笑みを

体を壊してやりたいこともなくなってしまったから、自分が思っていることを伝えたいことをとりとめもなくかいていくよ。

【続けることの難しさ】じゅっさいのおよめさん/三門鉄狼

僕は、自分では、誰に対しても表面的な付き合いをしているだけのつもりだった。クラスメイトとも、隣人とも、叔父とも、世界のあらゆる人間と、例えば自分がいついなくなっても相手が困らない程度の付き合いを保っているつもりだったんだ。

 それでも伝え続けたい想いがある

 人に物を伝えるというのはとても難し事だと最近改めて感じています。元々文字を書くのは苦手で、口で説明したり自分でやってみせる方が得意です。ブログも何度かチャレンジしたことがあるのですが長続きしませんでした。当時はとくに何を書いていいのか分からなかったし、好きな対面での表現という物にこだわっていたのも、続かなかった原因かなと考えています。

 現在は紆余曲折あって自分が伝えられるならどんな場所だって構わないという考え方に変わりました。新しいことに挑戦したいという気持ちもあって再度記録をつけていく事をはじめました。

 ですがいざはじめるとやはり文字だけで伝えるというのはとても難しいということをひしひしと実感しております。何度も下書きをしては消してを繰り返す様子はまるで昔の小説家や、マンガ家が紙をくしゃくしゃにしてゴミ箱に放り投げている様を彷彿とさせます。

 当面の目標は続けること、これにつきるのかなと。下手くそのままやめてしまえば決してうまくなることもないし、やはりいいものをや好きな物を人に伝えることが好きだからどんな形でもそれがきちんと出来るようになりたい。そのためにはまずは続けていくことと思考錯誤を繰り返していくこと。それが大切なんだと思います。

 当たり前のことを立派に書くなと言われるかもしれません。分かっていても言葉にしたり文字にしたりすることが力になると思うのであえてこの場に書き記しておきます。

 

あらすじ

「わたしはせいじのおよめさん!」僕こと倉敷誠二が終業式を終えて家に帰ると、家の前で待っていた十歳ぐらいの見ず知らずの少女に、いきなりそう言われてしまった。およめさん宣言のもと、一緒に新婚生活を送ろうとしてくる少女。けれどもちろん、僕は十歳の少女と結婚することにした憶えはない。少女に話を聞くと、どうやら彼女はクラスメイトの御殿山みのりで、昨日突然その姿になってしまったらしく……!?

公式サイトより抜粋

この作品を三行でまとめると

  • あらすじとタイトルで損をしていると思った。
  • 人との関わり方を考えさせてくれる作品だった。
  • 関わらず楽に生きるより、関わって辛いことも楽しいことも経験したい。

 

感想

 読み終わって最初に思ったことが、この作品タイトルで大分損をしているなということです。このタイトルだと中身が想像しづらいからです。では何故この本を手に取ったのか。それは帯に書かれていたあのとき、僕の人生は変わった。僕のお嫁さんだと自称する、幼い少女との出会いによって。という文言が気になったからです。

 本を読み進めると御殿山みのりという強烈に癖のあるキャラクターがこの物語をかき回します。ですのでこのキャラクターがを受け付けない人には読み進めることは難しいかもしれません。

 ですが中盤から後半にかけてお話が動き出すと、いろいろと心に突き刺ささってきます。それはこの本が人と関わることの大切さという主題をきちんと読者に伝えようとしていたからだと私は思います。

 人と関わることは人間として生きる以上避けては通れません。確かに誰とも関わらなければ傷つくことはないのかもしれません。ですがそれは同時に楽しいこと、嬉しいこと、無限大の可能性を諦めてしまうことなのです。主人公はそこに気がつき、みのりと共に歩んでいきたいと願うようになります。その成長や気持ちに私は涙しました。

 ラストは少しご都合主義なところもありませが、本書の本当に伝えたいところが読み解ければそれは些細なことなのかなと思います。

 変わることはとても怖いことかもしれません。主人公は前を向きました。そしてその1歩を踏み出しました。この本があなたのきっかけになったらそれはとても素敵なことですね。