読書
「人って奴は。強いようで脆い生き物だからなぁ。気をはって生き続けることはできない。本当の自分をさらけ出して、ほっと一息つける場所が必要なんだ。母さんと一緒にいると、父さんはありのままの自分でいられたよ」
「終わりが迫るのを知りつつ、進んでしまうのはなぜなんだろう」
「……だからさ、諦めないことだよ。出会いなんてものは、気まぐれに起こる奇跡みたいな物だからさ」
「あなたが本当に欲しいものは、温もり。でもそれは、決して私があげられる物ではないの。あなたは気づいているはず。だから、ごめんね」
……いや、諦めるな。せめて見逃し三振は絶対に避けよう。ダメならダメでなにかやって終わらなきゃ一生後悔する。
「罪に相応しい罰ってなんなんだろうね」
「殴られたときより、宮藤のこと黙ってみているときの方が痛かったってわかったからな。みんなもたぶん今日そう感じたと思う」
「だから……言わせろ! 勝手に人生諦めてんじゃねぇ! 親孝行も初孫も期待しねぇからよ……ただ、元気な顔を見せてくれよ……。アタシの話し相手に……なれよ! お前までいなくなったら……アタシは……どうすりゃいいんだ」
「オマエサエイナケレバ」